小説感想

!(びっくりマーク)二宮敦人 牙亜羅の感想

投稿日:2019年4月10日 更新日:

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!(びっくりマーク)二宮敦人 牙亜羅の感想

 今日は二宮敦人さんの「!」のご紹介です。私が「!」を知ったのはモバゲーの小説コーナーです。それからモバゲーからエブリスタに小説コーナーは移行されましたが、モバゲーの頃から出展されている本です。小説好きな方もそうでない方も、是非読んでいただきたいなと思い、感想を交えてご紹介したいと思います。

 「!(びっくりマーク)」はオムニバス形式の小説で、この中には3つの作品が掲載されています。一つ目に「クラスメイト」。二つ目に「穴」。3つ目に「全裸部屋」という作品です。

 それではさっそくですが、それぞれの作品のあらすじと感想をご紹介したいと思います。

クラスメイトあらすじ&感想

クラスメイトあらすじ

 最初に「一人目」という題から始まるクラスメイト。作品の冒頭で、女性が殺害されるところから始まる。斧で滅多刺しにし、叩く犯罪者。それをもがきながら死んでいく被害者。

 そこで場面は変わる。ある日、主人公の男性が携帯電話を拾うところから話が始まる。朝学校に向かうとき、不意に落ちている携帯電話を発見。拾ったときにどのような人が落としたのか、男性か女性か、どのような生活をしているのか想像する。そして知らない人の携帯電話を入手するということは、相手の生活を垣間見たようで、ほくそ笑んでしまう。

 主人公の男性は時間がないこともあり、中身を見ずに学校に向かった。学校では彼の友人の男性と彼女がいて、友人男性にも彼女がいた。つまり4人はみんな知った仲。しかし、男性友達の彼女は学校を休みがちである。

 そんな時、主人公の男性は友人男性を屋上に呼び、朝の出来事を説明する。そして二人は携帯電話の中身を見ることに。その中には数枚の画像が入ってた。最初は楽しみにしていた二人。しかし画像を見た瞬間、二人は凍りつくことになる。何と画像に写っていたのは体を切断された惨殺死体だったのだ。

 驚く二人。更に驚くことに、その画像に写っていたのは・・・・・・。

クラスメイト 牙亜羅の感想 ネタばれあり

 二宮さんの作品の特徴は圧倒的な文章力です。面白い表現がたくさん出てきて飽きさせない内容。そしてクラスメイトは映像が頭の中に浮かんでくるし、殺害されている時の被害者の気持ちが自分の中にも芽生えてくるよう。

 きっと切られる感覚は、このようなものなのだなというのを感じさせてくれます。そして携帯電話を見てしまった主人公ですが、私だったら落ちている携帯電話を拾うことはできないと思います。ましてや中身を見るなんて、とても怖くてできません。

 最近の携帯電話なら、遠隔操作で落としたら使えなくなると思いますが、この時代はガラケー。遠隔操作はないでしょう。作品では二つ折りタイプの携帯電話が出てきて、懐かしさを感じることもできます。

 そして最後に犯人が分かりますが、なんとも切ない結果に・・・・・・。そしてその理由で殺されたのであれば、画像を撮って携帯電話に保存していた理由が分からないなと思いました。それを使っていた人の携帯電話なら分かりますが・・・・・・。クラスメイトはとても面白い作品でした。

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穴 あらすじ&感想

穴 あらすじ

 大学受験を失敗した女性の話。受験失敗後、浪人生となる主人公の女性。ところどころ、何者かの殺してやりたいという憎悪の心が記されている。

 浪人生となった女性は部屋を借り一人暮らしに。その一人暮らしは予備校と家の往復ばかりで、ずっと勉強を繰り返している状態。ある時、女性は集中力が切れ、インスタントコーヒーを飲もうとする。しかし中身はなく、予備のインスタントコーヒーを取り出すことに。

 コーヒーは棚の上にあり、回転式の椅子の上に乗り取ろうとする。しかし、不安定な椅子の上から落ちてしまい、部屋の壁に穴を開けてしまう。

 その後、彼女がその穴を覗いている際、眼鏡をそこに落としてしまう。手を伸ばしても届かず、彼女は穴の周りを壊して体ごと中に入ることに。

 中は部屋のような空間が広がっていた。不思議に思う彼女。中に入った彼女は一つのゴミ袋を見つける。携帯電話のライト機能を頼りに袋の中を見る女性。その中に入っていたのは、男性の死体であった。

 彼と目が合い、慌てて部屋に戻ろうとする女性。彼女の結末は・・・・・・。

穴 牙亜羅の感想

 結論から言えば、とても悲しい話でした。事実と心の中は全く違うと、まじまじと感じさせてくれるお話です。

 普通で考えると、部屋のすぐ横に死体があるなんて怖いことですし警察に連絡するでしょう。しかしそれをせずにむしろ好意的に感じてしまうところが面白いです。

 最後まで誰が殺して死体を置いたのか分からない展開。クラスメイトの誰かなのか。または他に犯人がいるのか。それとも自分?

  最後、何か心に残る寂しさがとても感慨深い作品です。 結局あの後、死体はどうしたのでしょうね?

全裸部屋 あらすじ&感想

全裸部屋 あらすじ

 ある日の朝、目を覚ました女子学生。いつもの朝のように、ベッドの横に置いてあるセーラー服を手探りに、反対側の手でパジャマを脱ぐ・・・・・・はずだった。しかし彼女の手にはパジャマは触れず、更には横にセーラー服すらなかった。そこでようやく自分が裸であることに気が付く。

 何が起きているのか確認するために起き上がる女性であったが、いつも自分が住んでいる部屋ではなく、周りには何もなかったのだ。いや、正確には縦、横、高さ、全てが3メートルほどの白い部屋であり、ベッドがなく床に寝ていた常態。

 何故その部屋にいるのか分からない女性だったが、更に分からないのがその部屋には家具や自分の服などがなく、ドアや窓さえもなかったことだ。

 自分の置かれた状況が分からず頭を整理する女性。ふと側に携帯電話が落ちているのに気づき、自宅に電話をして助けを求めることに。電話に出た母は彼女の話に驚き、父は警察に電話をする。

 一度電話を切った彼女であったが、部屋にある違和感を感じる。彼女は不意に部屋の隅に爪で跡を付けた。すると数分後。その爪痕に異変が。数センチほどの所に付けていたはずの跡が、わずか数ミリの位置に移動しているのだ。これは何を意味しているのか。

 「部屋が縮んでいる!?」

 それが彼女の出した答えだ。事実、だんだんと縮んでいる部屋。部屋を出ることもできず、そこがどこかも分からない中、彼女は自分がこの中にいる意味を考える。

 彼氏との電話の中で色々なことを思い知らせられる彼女。そうしている間にも小さくなっていく部屋に待ち受けている結果は……。

全裸部屋 牙亜羅の感想

 全裸部屋というくらいなので、ちょっとエッチな話かな? と最初は思ってしまいますが、全くそんなことはなく不思議な怖さがジワジワと来るお話です。

 もし自分が出口もない部屋に閉じ込められ、どんどん部屋が小さくなっていくとどう思いますか?

 「怖い」「圧死」「痛い」「嫌だ」「逃げたい」

 たくさんあって負の感情が生まれてくると思います。そんな感覚の怖さを与えてくれる新しいタイプのホラー作品です。最初は広いと思っていた部屋も、やがて手を上にして背伸びすることもできなくなり、身長よりも小さくなって、結果みんな誰もがやったことのある姿に……。

 これを読んでるとき、何度も部屋を見渡してしまうのは私だけではないはず……。最後に待ってたのは痛々しい悲劇か、はたまた……。

!(びっくりマーク)二宮敦人 牙亜羅の感想

 圧倒的な言葉、感情の波が自分に押し寄せてくるようなお話で、とても面白い小説でした。

 ホラー小説なのに、ただ驚かすだけでなく何かを考えさせられる作品で、最後に不思議な感情が残る作品が多いのが二宮さんの作品です。感覚的に言えば、世にも奇妙な物語のような不思議なホラーという言葉が近いかもしれません。

 現在二宮さんの作品はたくさん出ています。私の好きな作品が多いので今後少しずつご紹介していきたいと思います。また今回ご紹介した作品「!(びっくりマーク)」は楽天ブックスでご購入できます。リンク、! (アルファポリス文庫) [ 二宮敦人 ]をご確認ください。

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