映画MONSTERZ(モンスターズ)を観た牙亜羅の感想&評価「怖い痛い」ネタバレあり
私的にはこういったSFやファンタジーやミステリー・サスペンス、ホラー系の作品が好きで、特殊能力などを使う作品を好んで観ます。しかもあの演技の相当上手い藤原竜也さんと山田孝之さんが主演となると、とても期待大の作品です。ではあらすじから見ていきましょう。
映画MONSTERZ(モンスターズ)あらすじ
U-NEXTより引用
映画MONSTERZ(モンスターズ)見所
幼少時代に父親を殺害
場面は目隠しをされた子供が母親に連れられ家に帰るところから始まります。家に帰った子供の頃の男が母親といると、父親が傘を持ったまま家に戻ります。すると母にもう一度やり直せとのことを言いながら傘で叩きます。外に連れ出される母親。階段の手前側の所まで連れ出したところ、家から歩いてきた子供が父親の前に対峙します。すると父親は階段を後ずさり。一番下まで下りた父は顔を両手で掴み、そのまま……。


銀行のシーンで男に
次に銀行のシーンが出ます。カバンの中の物をおもむろに出し開けっぱなしにするカバンに、次々とお金を入れていく客と銀行員。それを持ち、外に出ると……。


男と終一の出会い
男はいつものように人を操り動きを止めます。カップルのたこ焼きを食べたり子供に話しかけたりします。そんな時、引っ越しの仕事をしている男性(終一)が動いていることに気づきます。念を掛ける男ですが、終一の動きは止まらず仕事を続けます。男は不審と怒りを感じますが、その後すぐに終一は車に轢かれることに。ここからが二人の男の戦いの始まりです。


生きている終一
車に轢かれて生きていること自体が奇跡と言われていた終一が3日で傷が治ります。友達に言われて賠償金を貰いに行こうと、自分を轢いた相手の家に行きますが……。


雲井のお店で男が現れる
流れで雲井の家にいる終一。友達も来てワイワイしている最中、男が現れます。その時、お店の中で凄惨な事件が起きます。


映画MONSTERZ(モンスターズ)牙亜羅の評価 (3.6)
この評価は私が独自で評価するもので、個人的な評価で星5段階で表しています。
ストーリー★★★☆☆
キャスト★★★★★
映像★★★☆☆
音楽★★★★★
もう一度観たい度★★☆☆☆
ストーリー ★3つ
人を操ることができる男と操られない男で無敵という設定はとても良かったと思います。しかしその素晴らしい設定を活かしきれていなかったことに勿体なさを感じる作品です。
ある日、人を操っていたのに一人だけ自分の思い通りにならなかった男・終一。その男性を必要以上に追いかけ殺そうとする謎の男。この辺りももう少し理由付けが必要だと感じました。例えば、最初に人を操っている姿を見られた。終一はその男が人を殺害シーンや犯罪を犯すシーンを見て、捕まえようとする。みたいな動機が欲しかったです。
今回の作品では、男がただイカれた奴だという印象しかなく、男を支持する人がいないのでは? と思ってしまいます。あと、せっかく石原さとみさん演じる雲井叶絵や雲井繁(田口トモロヲ)、ジュン(落合モトキ)や晃(太賀)といったキャラが出ているのに、全く作品に活かされていなかったのが勿体ない。
ただ終一を殺害するため、無意識に男を手助けする人という形になってしまっています。実際に起こるならこのような形になるでしょうが、作品としてもう少し活躍してほしかったと思います。
キャスト ★5つ
これは豪華というより、演技が上手な役者さんが多数で凄い。まず藤原竜也さんと山田孝之さんのW主演。個人的に二人とも好きな俳優で、どの映画も凄いと思っています。今回の作品も二人で対決するというのが凄い。どちらも本当に存在するのではないかというほど役柄に魂が入っています。
藤原さん演じる男は、田中終一に脅威を感じて必要以上に消そうとします。対する終一は、人々を利用して自分を殺そうとしている男を倒そうとします。お互いが持つ怖さと倒そうとする奮起の反対の感情を見事に表せているのが流石です。
そして石原さとみさんの雲井叶絵です。叶絵自身は、それほど男にも終一にも影響を与えていないと思うので、どういった意味での配役かはあまり分かりませんが、石原さんは演技が相当上手だということが改めて分かりました。繊細な心の動きを演じるのが上手いです。
例えば父が亡くなって、終一を責めようと思ったけど思いなおすシーン。そして自分がやってしまったのを見た後のシーンの精神状態の表し方が全く違います。操られている時も虚ろな表情をするのが上手です。彼女が出ているシーンは安心して観ることができますね。
また父親役の優しそうな田口トモロヲさんも素晴らしい。流石は名バイプレイヤーです。同じく名バイプレイヤ―の松重さんの刑事役はやはりいいですね~。とても落ち着いた刑事さんです。
映像 ★2つ
とても暗い雰囲気がする映像です。監督が中田秀夫さんということで「スマホを落としただけなのに」や「貞子」、「リング」など、数多くホラー作品を手掛けている中田監督だからこそ暗い雰囲気の作品になったのだと思います。
最後の落ちていくシーンなどは流石に作りすぎですが、男が能力を使うシーンなどはもう少し上手にできたのではないかと思います。
最初の子供の頃のシーンは雰囲気出ていてとても良かったです。
音楽 ★5つ
音楽が更なる怖さを演出しています。クロユリ団地や貞子3Dなどのホラー作品も手掛けている川井憲次さんが担当しているので、とにかくMONSTERZの良い雰囲気が凄く出ています。
また飛び降りた時の音などが、とても生々しい。思わず目を覆いたくなるような痛々しい音に、観ているこちらまで痛くなってきます。音楽に関しては凄いです。
もう一度観たい度 ★2つ
もう一度観たいかと聞かれると、「もう観なくても大丈夫です」と答えます。面白いのは確かですが、一度観たら内容も把握しているし、たぶん「こういうことだったのか」と改めて考えることも少ないので一度で大丈夫です。
映画MONSTERZ(モンスターズ)を観た牙亜羅の感想「怖い痛い」ネタバレあり
とても面白い設定の作品でしたが、観ていて痛々しい場面がいくつも出てきます。人が死ぬシーンやぶつかるシーンです。他の方の感想も色々読んでみましたけど結構な酷評でした。でも設定が良いのとトップレベルの演技をする役者の方々のおかげで、私はとても面白く観ることができました。
結局藤原竜也さん演じる男は名前が分からないで終わりました。ずっと持っていた本(AKIRA)に「也」という文字が見えた気がしますが結局わからず、ウィキペディアでも「男」となっているので、私も男と言わせてもらいます。映画のパンフレットには書いているようですね。この本でしょうか? 小さいからこれではなく単行本かな?
人を操ることができる能力を持つ男と、怪我をしても超回復力ですぐに治ってしまう男・終一の対決の話で、男は唯一操れない男と出会うところから凄惨な事件が始まります。
どちら目線で考えて作品を観るかで、応援したい方が変わります。内容的には凄く面白くなりそうなのに、何故かワンパターンな戦いが続きます。警察を操る時も、すぐに頭をドカンと一発撃って「ジ・エンド~!」な気もしますし、逆に男が柴本孝雄(松重豊)にやられそうな時は「何故柴本はそんなに待つんだ?」と余裕をかましている柴本の行動が分かりませんでした。
男も本当に終一を何とかしたいのであれば、倒した後に埋めるとかコンクリートで固めるとか、いろいろ方法はあったでしょうが、それをしなかったのはなめてかかったということでしょう。なんせ今まで敵は一人もいなかったのですから。
気になる点がいくつかありましたが、その一つに男の能力の発動条件があります。目を隠されたら発動できないということだと思いますが、これは見ている者は操れるということでしょう。でも操っている人を見ていない場面もその人を操れるのは、一度操ったらもう操れるということでしょう。
光があったら操れないとか、暗闇だと操れないとか、後ろの人は操れないとか、でもドアの向こうで見ていなくても操れるというのはオートモードみたいなものでしょうか? ちょっと説明がないのであまり分からない部分がありました。なので最後の柴本が後ろから銃を構えたシーンなど、「柴本まで操れない超能力者なのか?」と思ってしまいました。
あと柴本関連で残念なのが、せっかく終一の過去を知っているという設定があるのに、全く活かしきれていないというところです。というより、この作品では警察が行動する度に終一がピンチになる。いない方がマシではないかと思ってしまいます。
男のことを研究してから対策を取って挑まない限り絶対に倒せないと思いますし、あまり詳しくは描かれていませんが柴本くらいの能力を持っているのであればそのような状態で戦うと思います。
何はともあれ、最後の男が終一を気にした時に涙を見せて笑ったのは、自分と同じように人とは違って自分と同じような超人が生きていて嬉しかったからだということですね。そして自分の名前を知ってくれた終一を友として慕った瞬間だったのではないでしょうか?
映画MONSTERZ(モンスターズ)視聴方法
私はU-NEXTで観ました。登録を行えば、無料で観ることができる作品です。他にもたくさん作品を観ることができるのでU-NEXT
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映画MONSTERZ(モンスターズ)のサウンドトラックです。作品中にも流れていましたね。美しい旋律なのにどこか恐ろしい雰囲気の曲がたくさん入っています。2,197円(税込)送料無料です。14曲で55分39秒収録されています。
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以上、映画MONSTERZ(モンスターズ)の感想でした。設定はとても好きだし演じている役者陣は凄い人ばかりの映画でした。原作の韓国での映画「超能力者」も観てみたいですね。