テセウスの船　牙亜羅の感想＆見所＆評価「とても面白い」

テセウスの船　あらすじ

父親である佐野文吾（鈴木亮平）が大量殺人を犯したことにより、小さいころから周りの人々に迫害を受けてきた息子、心（竹内涼真）。そんな彼も由紀（上野樹里）と知り合い結婚。お腹に子供を宿し出産。順調に人生が進んでいくと思われた矢先、由紀が……。彼女は言っていました「心のお父さんだから信じたい。犯人はお父さんじゃないと思う」と。

過去にタイムスリップをする心は、父親文吾と出会い過去の自分の家族と出会います。そこで見たのは自分が知らない明るい家族。そして家族と町の人を思う優しい文吾の姿。由紀の言う通り、犯人は文吾ではないと思う心は真犯人探しをします。そこで起こる様々な怪事件。

心は見事犯人を見つけ、父の冤罪を晴らすことができるのでしょうか？　そして大量殺人事件を防ぐことができるのでしょうか？

テセウスの船　牙亜羅の評価 (4.6)

この評価は私が独自で評価するもので、個人的な評価で星5段階で表しています。

ストーリー★★★★☆
キャスト★★★★★
映像★★★★☆
音楽★★★★★
もう一度観たい度★★★★★

ストーリー　★4つ

タイムスリップ物の作品は過去たくさんありますが、現代から過去にタイムスリップして父親の冤罪を晴らすという物語は、とても面白い話です。そして現代に戻り、再び見たものは前の現代とは違うもの。由紀が生きていて一緒に父の冤罪の証拠を探そうとするところも面白いです。ただタイムトラベル物でどうしても難しいのがタイムパラドックス問題です。

過去が変わってしまったら現代に生きていた人が死んだり生き返ったりしますが、その人物に関わる人達の人生が全く変わるという形になります。大きなものでは関わった人の考えや一緒に行動した事で道筋が大きく変わりますし、小さなものでは気付かずに道端で踏んでしまった虫の命や蹴飛ばしてしまった石ころの場所ですら、過去に戻るだけで変わってしまいます。

考えるだけで頭がおかしくなりそうな議論が沸き起こりますね。変わってしまった現代はどこに行ってしまったのでしょうか？

キャスト　★5つ

これは1クールのドラマとしては、とても豪華です。最近めきめきと力を付けてきている竹内涼真さん、演技に自身の肉体改造までして本気で挑む鈴木亮平さん、数々のドラマに出演している榮倉奈々さんなど演技の上手な役者さん達がたくさん出演してます。せいやもなかなかなものですね。

幼少期のみきおを演じているのは柴崎楓雅君と言う2008年生まれの少年です。あの有名なSTARDUATに所属しているんですね。椎名桔平さん、内野聖陽さん、山田孝之さん、葵わかなさん、永野芽郁さんなど、そうそうたるメンバーの事務所です。カッコいいですし、これは将来有望ですね～。

もう一人注目の子役が白鳥玉季さんです。彼女の役はこの作品になくてはならない役で、喜怒哀楽をはっきり出さなくてはいけない難しい役どころだったと思います。それをしっかりやってのけた玉季さんは、将来とても有望な女優さんになりそうです。私は彼女が前作出演した凪のお暇（凪のお暇牙亜羅の感想）で演技がいいなくらいに思っていましたが、今回テセウスの船では更に存在感を増していました。調べたら2016年からドラマに出演しているんですね。凄いです。

映像　★4つ

実際の冬山に行って撮影されたそうで雪国暮らしの私は分かりますが、とても過酷な撮影だったと思います。過去にタイムスリップするシーンがとても注目ですが、ごまかさずきちんとタイムスリップのシーンが描けていたのが良かったです。雪崩のシーンが迫力あって良かったですね。映像というのは分かりましたが。

音楽　★5つ

主題歌はUruの「あなたがいることで」です。優しいイントロ、そして静かな優しい歌い方がとてもこの作品に合っていて凄く良いです。サビの部分に差し掛かるときに重要なシーンになり泣けたり驚いたり感動を呼ぶ曲でとても良いです。この語りかけるような歌い方がテセウスの船に合っていますね。

各シーン事の曲もドラマに合っていて不安になる時には不安な曲、頑張ろうとした時にはそのような曲が流れ、雰囲気が合っていたのでとても良かったと思います。

もう一度観たい度　★5つ

とても面白い作品でもう一度観たいですね。というより、もう一度観ることにより「この行動はそういうことだったのか～」とか「あのシーンで言ってたのはこういうことだったのか」と新たな発見があり再度楽しめます。ただ最終回は少し、「う～ん」と考えさせられる部分があるので、欲を言えば少し変わったラストが見たいですね。

テセウスの船　牙亜羅の感想　ネタバレあり

とても面白かったですね。回が終わると「早く次の週の回の日にならないかな」と思ってしまうくらい面白い作品。過去にタイムスリップするという実際にはあり得ない状況をどのようにリアルに描くかがとても見ものの作品です。

また心の気持ちの動きが面白いです。父・文吾を初めは許せない気持ちでいた心でしたが、最愛の由紀のおかげで気持ちが変わり、過去に行って実際に文吾と会い考えが変わります。それが面白い。そして大量殺人事件という一つの核を中心に犯人を捜しだすという物語でただの殺人事件ではないという設定が良かったです。

そして時代背景が素晴らしい。令和の現代と昭和が終わり、平成の良き時代が懐かしく感じられました。佐野家にあったものも懐かしくて良いです。ただあの時代、そこまで猪木押しだったか？　と言われるとそうでもなかったですが（家庭ごとの違い）、懐かしいフレーズも出てきて良かったと思います。でもさすがに教職の資格がなくても先生になれるほど緩い時代ではなかったと思いますがね。

ちょっと残念なのが最終回。これで黒幕などが分かり、数々の謎が解明されて全て終わるかと思われましたが、どんどん新しい展開になり今まで出てこなかった名前などが二回前くらいから出始め、「話を広げすぎたな」という印象があります。犯人を原作と変えたかったのなら、もう少しうまい方法もあったはず。黒幕は犯人より頭が良くなければいけないので、意外と怪しい人で最適なキャラはいたと思いますが、違う人が犯人で残念というか、やはりというべきか……。

とても面白かったテセウスの船。まだ観ていない方も観た方も、もう一度観てほしい作品です。